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 ごあいさつ


 第46回日本鼻科学会総会・学術講演会の会長を仰せつかり、光栄でございます。開設後32年が経過しました自治医科大学の耳鼻咽喉科学講座ですが、全国レベルの学会を担当するのは第2代の森田守教授の日本頭頸部腫瘍学会(平成2年)以来であります。慣れない教室員が担当することで、ご迷惑をおかけするかもしれませんが、誠意だけはどこにもひけをとらないように頑張るつもりですのでご容赦下さい。

2007年9月27日(木曜日、学会第一日)はホテル東日本で開催します。
 基礎問題研究会は「鼻粘膜の水・電解質移動」を採り上げました。渡辺建介教授、清水猛史教授に司会をお願いします。鼻粘膜は吸気の加温、加湿という下気道防御の面で重要な働きを持っています。臨床面でもドライアイ、ドライマウスとともに加齢に伴うドライノーズが注目を集めてきました。この現象は高齢者が訴えることの多い鼻漏、後鼻漏とも密接に関連しています。アレルギー性鼻炎や鼻茸においても水性鼻漏、浮腫など水に関連した問題が大きく関与します。従来生体における水の移動は細胞間隙からの移動が主体であると考えられてきましたが、近年、水分の移動の多くが水チャネルを介していることがわかってきました。この水チャネルタンパクがアクアポリンです。今回はこのアクアポリンの鼻粘膜における発現を一つの大きなテーマとし、電解質チャンネルとの関わり、鼻粘膜での水分蒸散なども加えた広い概念のもと、最新の研究成果に加えて、臨床にも役立つ話が聞けるものと期待しております。
 臨床問題懇話会は友田幸一教授、菊地茂教授による「眼窩への経鼻アプローチ」です。DCR(涙嚢鼻腔吻合術)はESSの応用手技としてもっと広まってよい術式です。ポピュラーではありながら学会ではあまり採り上げられていなかったので、今回はこの方面で経験の深い術者たちを選び、蘊蓄を傾けてもらうことにしました。熟練者の技術をたっぷりと学んで下さい。栗橋克昭先生という眼科のエキスパートにも加わっていただきますので話が深まるものと思います。もちろん、眼窩壁骨折などにも話が及びます。
 スポンサードレクチャーはDonald Leopold教授(Nebraska大学)によるESS video lecture です。昨年はStammberger教授にlive dissectionを行ってもらいましたが、今回は同様な準備が諸事情により出来ません。前回では触れられなかった前頭洞手技が中心になるものと思います。司会は間島雄一教授にお願いしました。

28,29日は栃木県総合文化センターに会場を移します。
 会長講演として小生が「オスラー病患者の鼻出血への対応」と題して話します。鼻出血は極めて不快な症状で、止血操作にも痛みが伴い、患者のQOLを著しく損ねます。オスラー病ではほぼ毎日出血との戦いになるわけで、耳鼻咽喉科医は解決策を持つべきです。今までの経験から得られた現状における対策法を明らかにしたいと思います。
 特別講演1としてValerie Lund教授による「Evidence-based rhinology」を用意しました。Lund教授は4年前の長谷川会長の総会時にもご講演いただいておりますが、非常に明晰な発表をされ、日本人にもよくわかる美しい英語をしゃべられるので、講演とはこのように行うということを若い先生方に学んでいただきたいと思って企画しました。司会は洲崎理事長にお願いしました。特別講演2として、初日のレクチャーに出演していただいたLeopold教授に再登板願いdysosmia(異嗅症)に関する講演をお願いしてあります。古川仭教授の司会です。また、招待講演は韓国鼻科学会から推挙されたJoo-Heon Yoon教授(Yonsei大学)による「Regulation of Mucin Gene Expression in Human Nasal Mucosa」です。Yoon教授は一昨年の竹中会長による学会の際にシンポジストでありながら急遽来日できなくなった経緯があり、今回は満を持して韓国鼻科学会のtop researcherとして講演されます。
 シンポジウムは黒野祐一教授、丹生健一教授による「鼻副鼻腔の組織修復」です。鼻粘膜には嗅上皮と呼吸上皮が存在し、それぞれ重要な働きをしていますが、一旦障害を受けたり、アポトーシスが作用したりするとどのような機序で修復がなされていくのかは興味のあるところです。さまざまな細胞のクロストークを考えるだけでもわくわくしますが、このテーマをいかに料理してくれるのか楽しみです。
 パネルディスカッション1として岸本誠二教授司会による「前・中頭蓋底へのアプローチ」があります。頭蓋底外科学会や頭頸部癌学会では当然な内容でも、鼻科学会の一般会員にはなじみがなく、敬遠される向きもあろうかと思います。しかし、こうしたアプローチは一般の鼻科学臨床にも応用は可能で、目を開く糸口になるかもしれません。また、荻野敏教授の司会でパネルディスカッション2「鼻疾患に対する東洋医学的アプローチ」を行います。漢方薬にはエビデンスがないといって使わず嫌いの人も少なくありません。しかし、無効なら何千年もの歴史の中で消え去ったはずです。膨大な量の臨床知見の成果が今ここに残っているわけです。難しい五臓六腑などの理論にこだわりすぎることなく、日常臨床でもう少し気軽に漢方薬を使えるように、それによって患者のQOLと満足度を上げることが出来るようにという意図の下で企画しました。
 教育セミナーとして1「小児鼻疾患への対応」と2「外鼻の臨床」を企画しました。いずれもハンズオン形式のセミナーですので奮って参加していただき、自由な意見を述べてもらいたいと思います。昨年の学会のシンポジウムに小児副鼻腔炎が採り上げられておりましたが、教育セミナー1ではそこで明らかになった問題点も加え、この方面のベテランである、飯野ゆき子教授と佐野光仁部長に基調講演を頂きます。鼻というと一般人はまず外鼻を考えます。ところが鼻科医は鼻腔を考えてしまい、ギャップがあります。昨年の総会には韓国からJang教授に来てもらい、招待講演としてrhinoplastyがありましたが、その後の盛り上がりはありませんでした。美容的なものには抵抗があるにしても、機能的な意味もあるのでrhinoplastyの技術はマスターすべきです。また、鼻弁の狭窄に関する知識もあまり浸透していません。教育セミナー2では加瀬康弘教授と久保伸夫助教授に担当してもらいこうした点の普及の糸口を作ってもらいたいと思います。
 その他、会期中には5つのランチョンセミナーや昨年に引き続いての日韓セッション、一般演題(口演)を予定しています。会員の皆様の御協力と御臨席を期待いたします。

 会場となる宇都宮市は第40回の馬場廣太郎会長(獨協医大)のときにもここで開かれたので、なじみのある方も多いかと存じます。餃子の町として知られていますが、それ以外にもジャズの町(ナベサダを生んでいます)、カクテルの町(日本一に輝いたバーテンダーが多数おります)などとしても売り出しています。ぜひ学会の夜を楽しみにしてください。さらに、栃木県は日光、那須をはじめ、観光地にも恵まれています。隠れた温泉地も多く、またモーターサイクルアミューズメントのツインリンクもてぎ、益子焼きの里である益子などもあります。学会前後の観光も楽しんでください。

第46回日本鼻科学会会長  市村 恵一





CORRESPONDENCE
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