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 ごあいさつ



第52回日本鼻科学会
会長 藤枝重治

 第52回日本鼻科学会総会・学術講演会を福井大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室で開催させていただくことを大変光栄に存じます。福井では,平成10年の第37回(齋藤等名誉教授開催)以来2回目の開催です。学会員およびご参加された皆様方に,ご満足いただけるように教室員一同,最善を尽くし準備を進めております。

 今回の学会のテーマは,「めざせ鼻科学スペシャリスト」といたしました。鼻科学会において,ここ数年若い先生方に最も人気のあるのは,鼻副鼻腔内視鏡手術に関する演題でした。手術ができるようになりたい,もっと上手になりたい,他の施設の先生はどのように手術をされるのだろうか,このような声をよく聞きました。現在,幾つかの大学で鼻副鼻腔内視鏡手術セミナーが開催されていますが,大人気で希望者が殺到し,なかなかセミナーを受けられない状態です。そこでこの3日間十分に勉強していただこうと,12枠の手術動画セミナーを企画しました。これが本学会目玉の企画です。鼻副鼻腔内視鏡手術に熱心で,第一線で活躍されている先生方に演者をお願いしたところ,全ての先生からご快諾をいただけました。30分間に手術の準備,実際の手術ビデオ,気をつけること,してはいけないこと,上級者のコツを組み込むようお願いしてあります。とても素晴らしいビデオセミナーになると確信しております。さらに上級者には,イブニングシンポジウムとして先進的鼻副鼻腔内視鏡手術を企画しました。オーストラリア鼻科学会長のRaymond Sacks先生をお招きし,鴻先生と交互にビデオを提示していただきます。主に腫瘍の手術を中心に,こんなことまで無理なくできるのか,術中緊急時の対応,手術の限界などについてディベートしていただきます。最上級レベルの鼻副鼻腔内視鏡手術とお考えいただきと思います。さらに手術の前にはCTにて術中イメージングすることが大切です。これができれば事故を起こすことはなくなるとも言われています。第50回岡山での本学会で満員御礼だったセミナーを手術動画セミナー後に,まとめとしてお願いしました。

 今回の学会開催は,我々に追い風が吹いております。教室の主たるテーマである舌下免疫療法が,この秋にも保険適応になるかもしれないということです。スギ花粉症の治療は,耳鼻咽喉科医が中心に行っていると気持ちがありますし,もちろん鼻科学会員でれば,専門であるという自負があります。本学会の第二の企画としては,「舌下免疫療法の実際と対応」という教育セミナーを行います。抄録募集の段階から多くの先生方から開催日の問い合わせがありました。その反響を考慮し,1日目と3日目同じ内容で2回行うこととしました。舌下免疫療法は根治の期待できる治療法ですが,適切に治療しないと,効果が得られません。効果がない患者さんが増えると,効かない治療だという噂が広がり,折角の保険適応が無駄になってしまう可能性を秘めています。そのためにも適切なスギ花粉症の診断,舌下免疫療法の適応,正しい施行方法と期間,副作用発現時の対応を3人の先生にお願いしました。会場はとても広い2000人収容の第一会場ですし,事前の登録は不要です。ぜひ聞いていただきたいと思います。ただし時間厳守でお願いします。教育セミナーが始まりましたら,入場はできません。

 学会は基礎的演題を充実させ,新しいものを見出すやる気と,各施設に戻ってから実際にがんばる機運を生み出す使命もあると考えています。そこで副鼻腔炎の基礎的研究では,世界第一人者のRobert Schleimer 先生をお招きいたしました。基礎シンポジウムとしては,アレルギー性鼻炎の感作と発症というタイトルで討論していただきます。感作は止められなくても発症を止められれば,画期的なことだと考えています。この難問に4人の先生が挑みます。基礎アップデートセミナーは,公募いたしましたところ2倍の応募がありました。学術委員の先生方の投票により上位4名を決め,発表していただきます。一般口演でも基礎的ジャンルは,同じ時間帯に重複することがないように配慮しました。どうぞ若い先生,基礎研究にも興味を抱いていただき,研究に取り組んでください。本学会から研究を始めて頂けたら,会長としてこんなにうれしいことはありません。

 アレルギー性鼻炎に対して昨年からレーザー手術が保険適応となりました。レーザー手術は10年以上前から行われてきており,多くの病院・診療所でレーザーを持っていると思います。しかし保険適応がなかったことから,最近はレーザー機器も埃を被っている所もあると聞いています。そこで最近のレーザー機種でどのようにするとどの程度の治療成績が得られるのか,紹介していただきます。臨床シンポジウムは,多くの先生が悩まれている嗅覚障害を取り上げました。治る嗅覚障害,どうしたら治るのかを提示していただきたいとお願いしています。International Sessionも恒例となりました。韓国
鼻科学会のHun-Jong Dhong会長と3人の先生をお招きしました。日本と韓国の政治的な関係はギクシャクしていますが,鼻科学会はとても良好な関係を築いています。今後友好をさらに深めたいと思っています。そして会長講演として,好酸球性副鼻腔炎の診断ガイドラインを発表いたします。これまでの案をさらに検討して,最終的なものを作成いたします。現在全力で解析しているところです。

 福井といえば越前ガニですが,解禁日は残念ながら11月です。しかし新鮮な魚介がいろいろあります。また端麗で上品,とても飲み易い日本酒(冷酒)も沢山あります。2日目の会員懇親会では,これらをふんだんに用意いたします。どうぞ楽しみにしてください。また1日目には,福井の町に出て頂き,居酒屋,すし屋,割烹など楽しんでいただきたいと思います。これまで福井と言えば,東尋坊,永平寺が定番でしたが,今や恐竜博物館です。それはそれは見事な博物館です。お時間がありましたら,ぜひとも足をお運びください。

 多くの先生がお揃いで福井の地に足をお運びくださいますよう,心よりお願い申し上げます。