第56回 日本鼻科学会

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ご挨拶

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会長ご挨拶

会長ご挨拶

第56回
日本鼻科学会
総会・学術講演会

会長 増山 敬祐

この度,第56回日本鼻科学会総会・学術講演会を,山梨大学耳鼻咽喉科・頭頸部外 科学教室で開催させていただくことになりました。長い歴史と伝統を持つ本学会を担 当いたしますことを教室員ならびに同門会一同大変光栄に存じます。名誉ある機会を いただき本学会の川内秀之理事長をはじめ代議員ならびに会員の皆様に心より御礼申 し上げます。

 会期は平成29年9月28日(木)~30日(土)までの3日間,会場は甲府富士屋ホテル(甲 府市)です。学会のテーマは『鼻科学の裾野を広げる』にいたしました。鼻科専門医に は,関連する学問の領域を広げることで,富士山のごとく鼻科学の頂点を高めかつ極め ていただきたい考え,プログラムを企画いたしました。

 まず,鼻閉改善機能外科としての外鼻形成術に関する企画として,韓国のYong Ju Jang教授の招待講演とシンポジウム「鼻科専門医による鼻中隔外鼻形成術」を予定し ています。次に,内科的アプローチでかつ根治療法としてのアレルゲン免疫療法に関す る企画として,英国のStephen R Durham教授の招待講演とシンポジウム「アレルゲン 免疫療法」を予定しています。いずれも鼻科専門医が積極的に行なうべき標準的手技に なることを願っています。さらに,嗅覚障害に関するシンポジウムとして「嗅覚障害の 病態・治療研究の最前線」を企画しました。

 また,恒例の基礎ハンズオンセミナーに加え,今回の目玉となる新しいセミナーは 「臨床ハンズオンセミナー」です。ESSに関するベーシックコース,アドバンスコース, エキスパートコースの3つを用意しました。ベーシックコースとアドバンスコース では,講師の先生のもとで実際に手技を学んでいただきます。そして,エキスパート コースでは中国のBing Zhou教授をお招きしご講演いただく予定です。奮ってご参加く ださい。

 さらに,パネルディスカッションとして,「副鼻腔炎に対するprecision medicine」,「難 治性鼻出血への対応」,「睡眠の視点からみた鼻治療・手術の適応は?」と幅広くテーマ を揃え,鼻科学の研究・治療最前線に迫ります。

特別講演として,山梨大学ワイン科学研究センターの柳田藤寿教授に「山梨のワイン 情報とワインの商品開発」というタイトルで29日にお話しいただきます。柳田先生は ワインの他にヨーグルトやブドウジュースも商品開発されておりますので講演がとても 楽しみです。また30日には,山梨大学医学部免疫学講座の中尾篤人教授に「アレルギー と体内時計」というタイトルでお話しいただきます。概日時計の研究でみえてきた現代 の生活病としてのアレルギーに光を当てていただきます。

 恒例の日韓鼻科学会の日韓セッション開催やInternational sessionでは川内理事長の ご尽力により2018年ERS&ISIAN会長のLund教授をはじめ,ギリシャ,マレーシア,フィ リピン,韓国等からも参加をお願いしました。何と言っても学会のメインは一般演題で すが,その登録数は251題となり地方開催としては多いほうかなと思います。会員の皆 様には演題登録いただき心より御礼申し上げます。

 さて,鼻によって人間はその自我や個性が支えられていると言えるかもしれません。 例えばピエロの由来は,火刑者の芸術的世界における変容された姿であり,その赤い鼻 は罪を背負い人間的尊厳を差し出した姿を意味しています。鼻には,嗅覚,感染防御, さらに音声の共鳴腔としての重要な機能があります。そして正常な鼻機能がもたらす日 常生活での良質な睡眠,集中力の持続,精神的な安定などは,その人らしさの根幹を支 えています。鼻科学の発展はこれらQOLの向上に寄与するものと心得,本学会に全国 から多くの皆様をお迎えしたく存じます。また,地元の復興に尽力されている先生方に は寛げるひとときを提供できれば幸いです。

 甲府は周りを富士山,八ヶ岳,南アルプスに囲まれた盆地で,周辺には昇仙峡や富士 五湖など豊かな自然や温泉に恵まれ,戦国の武将武田信玄ゆかりの史跡など,観光名所 もたくさんあります。学会の合間には,先生方の嗅覚を頼りに,山梨県自慢のワインや ぶどうをたっぷりとお楽しみください。皆様お揃いの上,山梨の地までお越し頂けます よう,心よりお願い申し上げます。