第58回 日本鼻科学会

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ご挨拶

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会長ご挨拶

会長ご挨拶

第58回
日本鼻科学会
総会・学術講演会

会長 大久保 公裕
(日本医科大学大学院 医学系研究科 
頭頸部感覚器科学分野 教授)

この度,第58回日本鼻科学会総会・学術講演会を2019年10月3,4,5日の3日間,日本医科大学が担当で開催させていただくことになりました。大変光栄であるとともに身の引き締まる思いを感じております。日本医科大学での開催は前々任の故奥田稔名誉教授が昭和53年1978年に第17回を開催しており,それから41年ぶり2度目になります。2018年11月23日にその奥田稔先生がご逝去され,鼻科学の進歩を掲げる本学会をお見せできなかったのが残念です。本学会はこれら種々の意味を込めて「日本発,鼻科学ニューフロンティア」と題して,日本の研究者からの一般演題の発表を重要視しています。多くの若手医師,研究者の演題をお願いしたく思います。
 さて本学会を「日本発,鼻科学ニューフロンティア」と題しましたので,私の会長講演,川内秀之教授による理事長講演を企画しました。会長講演は領域講習として,「アレルギー性鼻炎治療の現在と未来」と題して薬物療法,免疫療法のシンポと今後についてお話する予定です。アレルゲン免疫療法は2014年のスギ花粉症に対する舌下免疫療法の開始で,注目を集めていますが,皮下免疫療法としては歴史も古く,古典的な治療法かもしれません。その歴史から明らかになっている効果,副作用から新たな免疫療法も誕生していく事と思います。講演では薬物療法も含めた治療の現状の問題点,そしてそれの解決に向けた未来へのアレルギー性鼻炎治療についてお話させて頂ければと思っております。また理事長講演では「日本鼻科学会の現状と課題-国際化を見据えて-」として,長く鼻科学をリードしてこられた川内秀之理事長から未来へ広がる鼻科学のインテリジェンス,そして国際化へのお話を聞けるものと信じています。
 特別講演では二つの演題を日本専門医機構の専門医共通講習として「AI・ロボットと医療倫理」(医療倫理),「マクロライド療法の35年」(感染対策)を講演して頂く予定です。医療におけるロボット技術の進歩は先生方もご存知の通りで,急激な進歩をしています。今回は日本医科大学と早稲田大学理工学部,東京理科大学との連携プロジェクトを進めているテーマであり,今後の医療に関わるロボットの進歩とその倫理について東京理科大学理工学部の大和田勇人教授に講演して頂きます。マクロライド療法ですが,その発見者である呼吸器内科医の工藤翔二日本医科大学名誉教授(公益財団法人 結核予防会理事長)に,治療の歴史,現在,そしてマクロライド療法の今後についてお話し頂き,その意義を再確認できるものと考えます。
 またもう一つの特別講演では「数学と医療」を専門医共通講習(専門医としての人間性ならびに社会性向上に資する講演)として,テレビなどでも高名な東京大学生産技術研究所の合原一幸教授にお話し頂くことに致しました。合原教授らはカオスが神経系細胞に存在することを示し,それを医療に応用する研究を行い,実際の臨床にも応用できるところまで来ている事を興味深くお話し頂けるものと思います。
 海外から招待いたしました先生は欧米から8名お招きしました。まず教育講演としてアリゾナ大学のKwang Chul Kim先生には「The anti-inflammatory role of mucins during respiratory tract inflammation」を講演して頂きますと共に国際化プログラムで研究方法から発表までのプロセスについての講演をいただきます。インターナショナルスぺシャルレクチャーとしてゲント大学のPillippe Gevarert先生には「Precision medicine for allergic rhinitis and chronic rhinosinusitis」をピッツバーグ大学のCarl H Snyderman先生には「Extending the limits of endoscopic endonasa surgery of skull base」を発表頂くのに加え,インタナショナルディスカッションやハンズオンセミナーでも話を頂くように関連のあるシンポジウムやディスカッションに参加して頂き,国内の先生とディスカッションを盛り上げて頂くことにしました。Emmanuel Prokopakis教授にはギリシアにおける鼻科学リサーチの状況についてインタナショナルシンポジウムでご講演します。スペインBarcelona大学のJoaquim Mullol先生にはアレルギー性鼻炎と嗅覚障害についてシンポジウムで話をして頂き,好酸球性副鼻腔炎では座長をお願いしています。カナダMontreal大学のMartin Desrosier先生には難治性気道炎症におけるサイトカイン療法についてインタナショナルディスカッション,ランチョンセミナーで話を頂きます。またコロンビア大学のDavid A Gudis先生には臨床ハンズオン,さらにミニシンポジウムの基調講演としても頭蓋底手術の講演を頂きます。韓国Yonsei大学のJoo-Heon Yoon先生とモスクワ大統領府病院のVladimir Kozlov先生をお招きし,国内で副鼻腔カテーテル治療を行っている先生方とのシンポジウムを企画しました。韓国からはYoon先生のほか,Sang Jue Heo先生,Song Chul park先生,Chung Hoon Kim先生,Hyun Jik Kim先生, Hyung Ju Cho先生,Sang Wan Kim先生,Sang Duk hong先生と多くの先生方のご講演を頂く予定にしています。
 会場の都市センターホテルは地下鉄の麹町,赤坂見附,永田町,半蔵門,四ツ谷と種々の路線が使える便利な場所です。こじんまりとしたホテルですが,ホテル全体が学会会場であり,休憩スペースも多く,ゆったり学会を楽しんで頂くことが出来ると思います。
会員懇親会は2日目夜に会場を別にしてホテルニューオータニで行う予定にしています。美味しい食事,飲み物をご用意しますので,沢山の会員の先生方に来て楽しく懇親を深 めて頂ければ幸いです。
 第58回日本鼻科学会総会・学術講演会に向けて,先生方をお招きするために日本医科大学耳鼻咽喉科学教室員一同,精一杯準備を重ねております。是非,学会に足をお運び頂き,先生方とご一緒に鼻科学のニューフロンティアを実感できればと思っております。
ご参加のほど,宜しくお願い申し上げます。