日本鼻科学会認定手術指導医制度 申請要綱

一般社団法人 日本鼻科学会
会員各位

令和2年1月より鼻科手術指導医制度が設立されました。本制度の目的は鼻科手術をより安全確実に施行して頂くために術式の標準化を目指し、後進の育成をはかることです。鼻科手術指導医の取得には暫定指導医(非常勤でも可)を有する認可施設において3年間以上研修された先生がたで申請要件を満たす必要があります。一方、一般社団法人 日本鼻科学会認定手術指導医制度に関する施行細則第2条第2項にありますように、手術指導医制度移行措置として、認可施設で研修中の医師においては、2名以上の暫定指導医の推薦があり、かつ申請要件を満たしていれば、認可施設における通算3年以上の鼻科領域の臨床経験を問わず、指導医の申請が可能です。手術ビデオを含む申請要件の詳細については、下記および一般社団法人 日本鼻科学会認定鼻科手術指導医制度に関する規則ならびに一般社団法人日本鼻科学会認定鼻科手術指導医制度に関する施行細則をご確認ください。なお、本年度の暫定指導医、認可施設、ならびに指導医の申請受付期間は令和5年12月1日より令和6年1月31日(当日消印有効)です。

令和5年11月吉日

一般社団法人 日本鼻科学会
理事長 春名 眞一
鼻科手術指導医制度委員会

認可施設について(規則第22条)

認可施設は、以下の条件を全て満たすことが必要である。

  1. (1)耳鼻咽喉科専門研修プログラムの基幹施設、連携施設、もしくは関連施設で、研修カリキュラムに基づいた鼻科手術の研修が実施可能であること。
  2. (2)1名以上の指導医または暫定指導医が勤務(※)し、研修カリキュラム実施に必要な以下の鼻科手術件数を有すること。
    (※但し、非常勤の場合は勤務証明書の提出が必要)
  3. (3)過去2年間に、鼻科手術200件以上(うち内視鏡下手術100件以上)を実施していること。
  4. (4)(1)〜(3)の条件を満たさない施設が認可を求める場合は、制度委員会および理事会で審議し、承認の可否を決定する。
  5. (5)5年毎に認可施設の更新を行う。更新に際しては、更新前の2年間の鼻科手術200件以上、うち内視鏡下手術100件以上を必要とする。
    制度委員会ならびに理事会にて審議し、認可施設の更新条件を満たさない施設は認可停止とする。

指導医について(規則第15条・規則第16条・施行細則第2条)

  1. (1)指導医資格は個人に付与され、認可施設(前述)において鼻科手術を研修する耳鼻咽喉科医師を指導する。
  2. (2)申請者は、暫定指導医の資格、または次に定める全ての資格を備えることを必要とする。なお、申請資格の詳細については、施行細則第2条に定めるところによる。
    1. 1)日本国の医師免許を有すること。
    2. 2)耳鼻咽喉科専門医であること。
    3. 3)申請時において、引き続き3年以上本学会正会員であること。
    4. 4)耳鼻咽喉科専門医取得後、更新1回(5年)以上の鼻科領域の臨床および手術経験があること
    5. 5)後進の指導に充分な鼻科手術経験(過去に鼻科手術※1自験数400件以上、うち内視鏡下手術200件以上、かつ直近の2年間に鼻科手術自験数200件以上、うち内視鏡下手術100件以上(ESS IV型10件含)、副損傷の治療(修復)10件以上※2 )があること。

      ※1鼻科手術とは、以下の術式を示す。

      鼻骨骨折徒手整復 内視鏡下鼻・副鼻腔手術
      Ⅰ型(副鼻腔自然口開窓術)
      Ⅱ型(副鼻腔単洞手術)
      Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)
      Ⅳ型(汎副鼻腔手術)
      Ⅴ型(拡大副鼻腔手術)
      鼻骨骨折観血的手術(変形外鼻手術、外鼻形成含む)
      顔面骨骨折整復術
      眼窩壁骨折整復術
      内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型(下鼻甲介手術)
      内視鏡下鼻中隔手術Ⅰ型(鼻中隔手術) 鼻外上顎洞手術
      経鼻腔的翼突管神経切除術 鼻外前頭洞手術
        鼻副鼻腔腫瘍摘出手術(内視鏡下)
      鼻副鼻腔腫瘍摘出手術(外切開)

      注)1個人の手術で、両側内視鏡下鼻・副鼻腔手術、鼻中隔手術、両側下鼻甲介手術を施行した場合には、合計5件の手術とカウントする。また、両側のビデオを提出する場合に、審査対象として希望側の指定があれば、申請時に指示願います。


      ※2過去に副損傷の治療(修復)を10件以上あること(代表2例の手術録を提出)。なお、本学会主催の臨床ハンズオンセミナーアドバンスコースの受講証明書を有する場合には1件に含める。副損傷には以下のものが含まれる。

      眼窩紙様板損傷
      脂肪露出(major)、眼窩骨膜露出(minor)
      頭蓋底損傷
      髄液漏(major)、硬膜露出(minor)
      血管損傷
      眼窩内出血(眼窩hematoma)(major)、副鼻腔内出血と術後出血(minor)
      鼻涙管損傷
      断裂(major)、開口部損傷(minor)
      視神経管損傷
      視神経損傷(major)、視神経鞘露出(minor)

      頭蓋底、眼窩内手術で硬膜、脂肪露出し、治療(修復)する場合も含める。

    6. 6)鼻科に関連する論文を10編以上(そのうち筆頭著者または責任著者として5編以上)の業績を有すること。
    7. 7)本学会主催の学術講演会に5年間のうち計3回以上参加していること。

暫定指導医について(規則第23条・施行細則第6条)

  1. (1)暫定指導医の資格は個人に付与され、認可施設(前述)において鼻科手術を研修する耳鼻咽喉科医師を指導する。
  2. (2)移行措置として以下の条件を全て満たす場合、暫定指導医の資格を申請できる。なお、申請資格の詳細については、施行細則第3章に定めるところによる。
    1. 1)日本国の医師免許を有すること。
    2. 2)申請時において、耳鼻咽喉科専門医であること。
    3. 3)申請時において、引き続き3年以上本学会会員であること。
    4. 4)耳鼻咽喉科専門医取得後10年以上の鼻科領域の臨床および手術経験(過去に鼻科手術※1自験数400件以上(うち内視鏡下手術200件以上)、副損傷の治療(修復)10件以上※2)があること。

      ※1鼻科手術とは、以下の術式を示す。

      鼻骨骨折徒手整復 内視鏡下鼻・副鼻腔手術
      Ⅰ型(副鼻腔自然口開窓術)
      Ⅱ型(副鼻腔単洞手術)
      Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)
      Ⅳ型(汎副鼻腔手術)
      Ⅴ型(拡大副鼻腔手術)
      鼻骨骨折観血的手術(変形外鼻手術、外鼻形成含む)
      顔面骨骨折整復術
      眼窩壁骨折整復術
      内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型(下鼻甲介手術)
      内視鏡下鼻中隔手術Ⅰ型(鼻中隔手術) 鼻外上顎洞手術
      経鼻腔的翼突管神経切除術 鼻外前頭洞手術
        鼻副鼻腔腫瘍摘出手術(内視鏡下)
      鼻副鼻腔腫瘍摘出手術(外切開)

      注)1個人の手術で、両側内視鏡下鼻・副鼻腔手術、鼻中隔手術、両側下鼻甲介手術を施行した場合には、合計5件の手術とカウントする。


      ※2過去に副損傷の治療(修復)を10件以上あること(代表2例の手術録を提出)。なお、本学会主催の臨床ハンズオンセミナーアドバンスコースの受講証明書を有する場合には1件に含める。副損傷には以下のものが含まれる。

      眼窩紙様板損傷
      脂肪露出(major)、眼窩骨膜露出(minor)
      頭蓋底損傷
      髄液漏(major)、硬膜露出(minor)
      血管損傷
      眼窩内出血(眼窩 hematoma)(major)、副鼻腔内出血と術後出血(minor)
      鼻涙管損傷
      断裂(major)、開口部損傷(minor)
      視神経管損傷
      視神経損傷(major)、視神経鞘露出(minor)

      頭蓋底、眼窩内手術で硬膜、脂肪露出し、治療(修復)する場合も含める。

    5. 5)鼻科に関連する論文を20編以上(そのうち筆頭著者または責任著者として10編以上)の業績を有すること。
    6. 6)本学会主催の学術講演会に5年間のうち計3回以上参加していること。
  3. (3)新規の暫定指導医の申請は令和5年度まで受け付ける。暫定指導医の有効期間は10年間とし、更新は認めない。

【1】申請手続き

申請受付期間
令和5年12月1日より令和6年1月31日(当日消印有効)
技術認定審査料
暫定指導医・指導医 20,000円
※審査通過後、上記の技術認定審査料と別途 認定料30,000円を申し受けます。
審査料の支払い方法
次項以降の申請書類が事務局に到着したのち、事務局より審査料納入用の払込取扱票をお送りします。
申請書類送付先
〒113-0033
東京都文京区本郷2-27-16大学通信ビル5階
中西印刷株式会社内
日本鼻科学会 鼻科手術指導医制度委員会 宛て
送付方法
簡易書留またはレターパックプラスでお送りください。
封筒表に『暫定指導医』もしくは『指導医』申請の区別を赤字で明記してください。

【2】暫定指導医申請書類

  1. 1)技術認定申請書・履歴書(様式1号)
  2. 2)日耳鼻専門医認定証(写)※有効期限内のもの
  3. 3)鼻科手術実績一覧表(様式2号)
  4. 4)論文業績一覧表(様式3号)
  5. 5)副損傷一覧表(様式4号) 並びに 代表2例の手術録
  6. 6)非常勤の場合、勤務証明書(写)※書式は任意

※様式2号(鼻科手術実績一覧表)の入力時、【その他の術式(内視鏡下)】または【その他の術式(非内視鏡下)】を入力する場合には、【術式】を空欄としてください。(件数のカウントに影響するため)

※なお、様式 3 号の記載に際しての注意点については「記載上のお願い」を御参照ください。また、様式 1〜4 号については紙媒体とデジタルデータ(USB メモリ)を併せて提出してください。

【3】認可施設申請書類

注)申請者が暫定指導医申請を行う場合に、申請者が所属する(非常勤の場合は「勤務する」)施設がまだ認可施設でない場合は、認可施設申請も必須です。

  1. 1)認可施設申請書(様式5号)
  2. 2)鼻科手術実績一覧(様式6号)

※様式6号(鼻科手術実績一覧)の入力時、【その他の術式(内視鏡下)】または【その他の術式(非内視鏡下)】を入力する場合には、【術式】を空欄としてください。(件数のカウントに影響するため)

※なお、様式5~6号については、紙媒体とデジタルデータ(USBメモリ)を併せて提出してください。

【4】指導医申請書類

 

<移行措置:認可施設における通算3年以上の鼻科領域の臨床経験を満たしていない場合>

  1. 1)技術認定申請書・履歴書(様式1号) 【印刷体・デジタルデータ】
  2. 2)日耳鼻専門医認定証(写) ※有効期限内のもの【印刷体】
  3. 3)暫定指導医または指導医 2名以上の推薦状【印刷体】
  4. 4)術者として実施した未編集手術ビデオ2本(ESS IV型を1件以上含める)(2症例分)【デジタルデータ】


    未編集(内視鏡下操作全てを記録したもの)手術ビデオに関する注意点
    ・申請者・施設名・患者名が特定される情報は一切入れない
    (患者情報やカルテ等を撮影している動画部分のカット編集は、編集とはみなされない)。
    ・推奨される形式:Media Playerもしくは QuickTime Player、mp4
    ・WindowsおよびMac上で、特に追加ソフトなしに再生可能であることを申請者自身が予め確認すること。

    ※ESS IV型の手術は、術野の確保、器具の操作、前篩骨洞の処置、後篩骨洞の処置、上顎洞の処置、前頭洞の処置、蝶形骨洞の処置、嗅裂の処置、パッキング操作、手術運営、手術記録について審査をいたします。その他の症例の手術は、術野の確保、器具の操作、手術運営、手術記録について審査いたします。両側のビデオを提出する場合に、審査対象として希望側の指定があれば、申請時に指示願います。
    ※例ビデオを会員専用ページ内(https://plaza.umin.ac.jp/jrs/mem/)で公開しています。例ビデオをご確認いただき、提出される手術ビデオをご検討ください。
    ※提出された手術ビデオは、教育目的のために使用する場合があります。


  5. 5) 手術ビデオ2本(2症例分)それぞれのビデオ承諾確認書および審査添付書(資料1および2) 【印刷体・デジタルデータ】
  6. 6) 手術ビデオ2本(2症例分)それぞれの手術記録(写) 【印刷体・デジタルデータ】
  7. 7) 手術ビデオ2本(2症例分)それぞれの術前・術後の検査データ(CT、鼻内所見)【印刷体・デジタルデータ】
  8. 8) 鼻科手術実績一覧表(様式2号)【印刷体・デジタルデータ】
  9. 9)論文業績一覧表(様式3号)【印刷体・デジタルデータ】
  10. 10)副損傷一覧表(様式4号) 並びに代表2例の手術録【印刷体・デジタルデータ】
  11. 11) 非常勤の場合、勤務証明書(写)【印刷体】

※様式2号(鼻科手術実績一覧表)の入力時、【その他の術式(内視鏡下)】または【その他の術式(非内視鏡下)】を入力する場合には、【術式】を空欄としてください。(件数のカウントに影響するため)

※様式3号の記載に際しての注意点については「記載上のお願い」を御参照ください。

※提出媒体は、上記【  】内の指定に従ってください。【印刷体】は1部とします。また、『デジタルデータ』の指定があるものについては、USBメモリ2本にそれぞれ同じ内容を保存し、提出してください。USBメモリ1本での提出は認められません。

【5】指導医申請書類

<認可施設における通算3年以上の鼻科領域の臨床経験を満たした場合>

  1. 1)技術認定申請書・履歴書(様式1号) 【印刷体・デジタルデータ】
  2. 2)日耳鼻専門医認定証(写) ※有効期限内のもの【印刷体】
  3. 3)暫定指導医または指導医 1名以上の推薦状【印刷体】
  4. 4)研修証明書(様式7号) 【印刷体】
  5. 5)術者として実施した未編集手術ビデオ2本(ESS IV型を1件以上含める)(2症例分)【デジタルデータ】


    未編集(内視鏡下操作全てを記録したもの)手術ビデオに関する注意点
    ・申請者・施設名・患者名が特定される情報は一切入れない
    (患者情報やカルテ等を撮影している動画部分のカット編集は、編集とはみなされない)。
    ・推奨される形式:Media Playerもしくは QuickTime Player、mp4
    ・WindowsおよびMac上で、特に追加ソフトなしに再生可能であることを申請者自身が予め確認すること。

    ※ESS IV型の手術は、術野の確保、器具の操作、前篩骨洞の処置、後篩骨洞の処置、上顎洞の処置、前頭洞の処置、蝶形骨洞の処置、嗅裂の処置、パッキング操作、手術運営、手術記録について審査をいたします。その他の症例の手術は、術野の確保、器具の操作、手術運営、手術記録について審査いたします。両側のビデオを提出する場合に、審査対象として希望側の指定があれば、申請時に指示願います。
    ※例ビデオを会員専用ページ内(https://plaza.umin.ac.jp/jrs/mem/)で公開しています。例ビデオをご確認いただき、提出される手術ビデオをご検討ください。
    ※提出された手術ビデオは、教育目的のために使用する場合があります。


  6. 6) 手術ビデオ2本(2症例分)それぞれのビデオ承諾確認書および審査添付書(資料1および2) 【印刷体・デジタルデータ】
  7. 7) 手術ビデオ2本(2症例分)それぞれの手術記録(写) 【印刷体・デジタルデータ】
  8. 8) 手術ビデオ2本(2症例分)それぞれの術前・術後の検査データ(CT、鼻内所見)【印刷体・デジタルデータ】
  9. 9) 鼻科手術実績一覧表(様式2号)【印刷体・デジタルデータ】
  10. 10)論文業績一覧表(様式3号)【印刷体・デジタルデータ】
  11. 11)副損傷一覧表(様式4号)並びに代表2例の手術録 【印刷体・デジタルデータ】
  12. 12) 非常勤の場合、勤務証明書(写)【印刷体】

※様式2号(鼻科手術実績一覧表)の入力時、【その他の術式(内視鏡下)】または【その他の術式(非内視鏡下)】を入力する場合には、【術式】を空欄としてください。(件数のカウントに影響するため)

※様式3号の記載に際しての注意点については「記載上のお願い」を御参照ください。

※提出媒体は、上記【  】内の指定に従ってください。【印刷体】は1部とします。また、『デジタルデータ』の指定があるものについては、USBメモリ2本にそれぞれ同じ内容を保存し、提出してください。USBメモリ1本での提出は認められません。

申請書類のダウンロード